与太話じゃないほうのソシャゲの話

FGOの中級者向け記事のブログだった

【上級者向け】タマゴ技フィンで知るパーティにおけるニッチの開拓【変態構築の論理】

パーティ編成の機会損失

 

「普通」にプレイをしていて、お気に入りの星4がパーティから抜けたことはないだろうか?
特に思い入れがあって編成縛りプレイをしているのでない限り、同クラスの星5を差し置いて星4を入れる理由はあまりない。

コストが安いのは一見理由になるが、まず星5の方を先に入れるので、実際にはそこで悩むのは星5をいっぱい持ってる圧政者の場合だ。


結果的に新しい星5鯖が手に入ったときに、星5を入れる枠がパーティの中に生まれてしまい、星4は居場所を取られる。
「好きな鯖使えばいいじゃん」というのは理想論だ。
「好きなのも使いたいし強いのも使いたい」という気持ちを持つことは責められるべきでない。多くの人がそのジレンマを抱えている。

 

また、配布鯖も星4である点もガチャ産の星4を脅かす。

宝具レベル5までガチャで引いたのでもなければ、運が絡まず宝具レベル5にできる配布鯖宝具1のガチャ産お気に入り星4の地位を脅かす。

 

君はお気に入りの鯖聖杯を使うなどしてこの問題を解決するだろう。

だがしかし、聖杯は無限に手に入るものではなく、一方で魅力的なサーヴァントは次々に実装される。

好きだったサーヴァントもっと好きなサーヴァントの編成のために編成機会を奪われていく。

 


さらにシナジーの問題もある。

例えば、私が初めて聖杯を使ったサーヴァントはエリちゃんだ。
好きなキャラであることは大前提として、当時の星5槍がいない私のカルデアではレベル90のランサーが欲しかったのだ。

エリザのスキルはその後、「嗜虐のカリスマ」というユニークスキルに強化された。
この「嗜虐のカリスマ」女性サーヴァントの攻撃力を1.4倍する極めて強力なスキルだ。

…そう。女性である。

 

エリザをメインで使おうと決意した時に、自然と男性鯖の優先度が落ちる

聖杯ジャガーマンのような女性ランサーはエリザとの相性がよく、
その後、槍福袋から出てきたアルトリア[ランサー]という星5槍女は男性槍鯖(ヤリMAN)のパーティ編成における致命打になった。

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エリザを主軸にパーティを組むならフィン・マックールは編成できない。
僕のカルデアはそういう状況に陥った。

フィンは好きだが、エリザ軸の完成度の高いパーティは手放したくない…。
好きな鯖であるはずのフィン・マックールは僕のパーティから姿を消した。

 


ニッチの開拓

 

ニッチという言葉を聞いたことはあるだろうか?
にっちもさっちもいかない…の二進(にっち)ではなく英語のNiche(ニッチ)。
「ニッチ市場」とか「ニッチの開拓」といった使われ方をする言葉だ。


語源は「くぼみ」などを表す英語で(文化的な違いはあれど)無理やり意訳するなら「床の間」のようなものだ。
部屋の中で少し奥に入る隙間や窪み。それがNiche(ニッチ)だ。

 

壁に開ける窪みを呼ぶ言葉が、生物学の場で使われるようになる。
生態系の中で他の種がいなくなった空白(ニッチ)を埋めるために別の種が進化したり生態を変えていく…
これを「ニッチを開拓する」という。

 

例えば恐竜が絶滅した時に、プテラノドンなどの空飛ぶトカゲも消え去った。
こうして「空」という広大なフィールド「誰もいない空白」になる。
現在ではその空白は「鳥類」のものだ。


始祖鳥(アーケオプテリクス)というカッコいい名前の生き物が鳥へと進化していき
プテラノドンなどの翼竜がいなくなったニッチを開拓したのだ。

 

ニッチ市場

 

生物学的な「ニッチの開拓」から転じて経済の世界でもニッチという言葉が使われる。
「ニッチ市場」という考えだ!スキマ産業なんて呼ばれ方もする。
既存の誰もやらなかったことをすることで市場での生き残り、
サービスを望む消費者が少ない分野での需要を埋めるなど新たな市場を生み出す。

 

なんでこんな話をしたの?

 

さて、本題に戻ろう。
ここはFGOのブログ記事だった。

 

フィン・マックールは弊カルデアにおいてランサーパーティという女性有利市場の中で行き場を失った。
フィンが強いか弱いかすら問題ではない
女ではないというだけのことで編成から外れるのだ。
(こんなに顔が良いのに…)

 

フィンの2枚目を手に入れた時に私はフィンの宝具レベルを上げるか、
レベル1フィンを運用するかという難しい問題に直面した。

 

…嘘だ。難しくもなんともない。


当時の僕にとって結論は1つ
すなわちスキル強化済みレベル1スキルマのフィン・マックール。
通称:タマゴ技フィンの運用だ。

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「どうしてそう変な方向に思い切りがいいのよ!」という声が聞こえてくる気がする。
でもは当時の私にとってタマゴ技フィンは余りにも素晴らしい回答に映ったんだ。

 

レベル1戦術というニッチ市場を開拓し、好きな男性ランサー・フィン好きな女性ランサー・エリザを組み合わせる新しい道を開拓する。

 

そもそもフィンが本当にパーティの中で居場所を失うほど手持ちが充実していたわけではない。
「エリザ」「ジャガーマン」「JDASL」の3人を並べた後で、控えにフィンを置くことは別に可能なのだ。

礼装に気を付ければパーティ編成コストの余裕はまだある。

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問題は、大抵の戦闘は前衛3人だけで終わるということである。

パーティの後列は参戦ボイスやスキルボイスを聞かせてくれる事もなく、クエストが終わる。

エリザを起用する場合だと、前衛の誰かが倒れるほどの長期戦なら嗜虐のカリスマがリチャージすることも視野に入る。

1人が退場した後に出てくる4人目も女性槍の方が都合が良く、結局フィンの位置は後ろになる。

 

5人目、6人目にフィンを置くことはできるが、それでは滅多に戦闘に参加しない。
さりとて「強い編成」である槍女統一パを捨てるほどフィンを使うことにこだわりがあるわけではない。

(繰り返しになるがフィンは好きだが、エリザだって好きなのだ)

 

だがそれを解決する答えこそがタマゴ技フィンだったのだ!
エリザを4人目に下げて、3人目にフィンを置くのだ。

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レベル1という即退場する枠の採用はパーティを3人単位でなく4人単位で見ることを可能にした。

4つ目の「パーティの空白」の誕生である。

 


これで常にフィンが戦闘に参加することになるし、
フィンの戦闘開始時ボイスを聞くこともできるし、
フィンのスキル使用ボイスも聞ける。
フィンのダメージボイス退場ボイスが聞ける。
たまにはフィンの攻撃ボイスコマンド選択ボイスを聞くこともあるだろう。

嗜虐のカリスマはエリザ自身の攻撃アップは1.2倍にとどまるので、
効果時間中はエリザのカード以外を優先したい。

これがタマゴ技フィン使用時の「フィンの代わりに入るサーヴァントのカードには千里眼(麗)がのらない」というポイントとうまくかみ合う。
そもそもフィンの代わりに出てきたエリザのカードは避けるのだからバフがないことも問題にはならないのだ!

 

ジャガーマンはヒット数が多いので千里眼(麗)との相性もいい。
レベル1戦術というスキマ産業のおかげでフィン・マックールを編成する機会は大幅アップ!
素晴らしい成果だ!
そのためならフィンの宝具レベルを上げるチャンスを捨ててもいいと思えたのだ。

 

それだけではない。タマゴ技フィンはレベル1なのでクラス相性に左右されづらい利点がある。

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対ライダー相手にメルトリリスを編成したい時などの「お気に入りを輝かせる」ための編成にタマゴ技フィンを入れるなど、vsアーチャー以外のタイミングでの編成チャンスが生まれることになった!
新たな市場の獲得だ!

 

これにより「好きなキャラではあるけど、一番の推しではないので編成チャンスがない」という問題を抱えていたフィンは
一躍パーティ編成での優先度を上げることになった

 

そして独特な使い方でのサーヴァント運用は癖になる…。
今までと大きく違う戦闘プランへの好奇心…
多くの人が使わないマイナーな戦術を使う陶酔感…
フィンという当時まだピックアップされたことがない鯖の複数所持が前提というガチャの引きの良さに小さな優越感を感じることもできた
(冷静に考えて本当にガチャの引きが良いプレイヤーは星5を並べたりしているだろう)

これらが僕を「タマゴ技フィンのマスター」に変えていく。
Twitterやブログに書くことで周囲からの「呆れた称賛」が得られることも承認欲求を満たしてくれる…
タマゴ技フィンは強烈な中毒性のある麻薬サーヴァントだったのだ。

こうしてタマゴ技フィンは私のカルデアに置いて一大市場を築いていくことになる。
一方で親のフィンの編成回数が減っていく。
タマゴ技フィンとフィンは同時に編成できないからだ。

 

ここに大きなねじれが生まれていた。
タマゴ技フィン親のフィン比較すれば強いのは明らかに親のフィンである。

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だが「フィンを含む3人」「タマゴ技フィンを含む4人」では
後者の方が魅力的であり総合力が高く、タマゴ技フィンの方が重宝されるようになるのだ。

 


華麗奔放による価値の逆転

 

さてこれが去年末のタマゴ技フィンを含む弊カルデアにおける編成価値であった。
だが奴ははじけた…

 

みそかに突然イベントが告知され、

それに伴いフィンは新たなスキル「華麗奔放」を得た。
カレスコや凸虚数による宝具ぶっぱ、「マク・ア・ルイン」システムの誕生など
フィンの宝具レベルが高いということの価値が跳ねあがることになった。

 

フィンの宝具レベルを上げる価値が低いから、タマゴ技フィンというニッチ産業がなりたっていたのであり、
フィン自身の強さが上がった今、再びフィンの宝具レベルとタマゴ技との間に価値の天秤が機能し始める。

 

僕はフィンの宝具レベルを上げることを決意した。

 

タマゴ技フィンよ、さらば…

 

タマゴ技フィンを使う価値は(少なくとも私のカルデアでは)大きく減った。
タマゴ技フィンを使っている場合ではなくなったのだ。

フィンがストーリーで活躍することによる興奮もあったのだろう。
普通に戦う強いフィンが欲しかったのだ。

 宝具レベルを上げるためにタマゴ技フィンを親のフィンに食べさせることを考えさせるほどに…

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ニッチが再び埋まるまで


さて、フィンの宝具レベルを上げることが僕の中で重要度を増した。
初めてフィンのピックアップが始まったこともあり僕はガチャを回す。
(ちなみに僕のメインのガチャ宗教は『極大成功教』である)

そして…運命に出会う…

極大成功を引いて5枚目のフィンを狙いまわす…その時…!

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フィンの2枚抜き…そう6人目のフィンが図らずも舞い込んできたのである!

フィンの供給が増えたことで再びニッチ市場に対してアプローチできるようになったのだ。
タマゴ技フィンの価値の天秤が再び現れる。
レアプリか? タマゴ技フィンか?

ウチのカルデアでは「モナ・リザ」をちゃんと取れているので、レアプリの価値はそこまで高くない
気軽にレアプリ3個の伝承結晶と交換できるほどレアプリ候補がいるわけでもない。

 

なら当然、レアプリにするよりタマゴ技フィンを作る方が総合的に見て懸命な判断だとは言えないかね?
(なおタマゴ技スキルマ時に飛んでいく大量の骨は考えないものとする)

 

こうして私のカルデアでは聖杯フィン宝具5という「まっすぐに強いフィン」
タマゴ技フィンという「絡め手」の2つが揃った。

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いかんな…途中から自慢が強くなっている感じがする。

 

 

 

話をまとめよう
・好きだが一番の推しではない鯖が戦力的に編成しづらいならニッチを開拓する
・ニッチはスキマ産業に過ぎないので主力商品を展開できるなら思い切ってニッチを捨てるのもいい。
・十分な資源の供給は主力商品とニッチ産業の両立を可能にする。