*今回は直接的にFGOの話ではありません*
さて、僕が今めちゃくちゃ面白いと思って読んでいる小説『三体』について、別のブログで読む時のコツの話をした。
今回は『三体』と同じ作者の短編小説『円』の話をしよう。
『円』の登場人物は歴史上の人物の名前を借りているので脳内でキャラのイメージが浮かばなければ、FGOの対応するキャラを思いうかべることで読みやすくなるかもしれない。
そういうわけで、今回はFGOについて書いてる方のブログで傑作SF短編『円』の布教をしよう。
『円』はA4用紙換算で13ページくらいの短編だ。
昨日話した『三体』の極一部を抜き出し、それだけで1つの話として読めるように形を整えたもので、短編集『折りたたみ北京』に収録されている。
『円』がどんな話か、一行で説明すると
『荊軻と始皇帝が円周率を計算する話』だ。
どうだい?
興味を惹かれたかな?
それとも宇宙猫顔になっているかな?
では、『円』についてざっくり説明しよう。
『円』では荊軻は『始皇帝の暗殺に失敗した』のでなく、『自分から始皇帝に企みを明かした』ものとして物語が始まる。
「恐れおおくも、王を殺そうとした私を罰して、この刃で刺殺してほしい」と申し出る。
しかし、始皇帝はこれを拒否。
どうせ死ぬなら私の役に立ってからにしろと言って荊軻を殺さなかった。
さて、この異聞帯の荊軻は学者として才を振るい始皇帝のために数々の発明をした。
不老不死を求めていた始皇帝は荊軻の研究に興味を示す。
荊軻は「天の秘密は円のなかにあるのです」と語り、円周率の特性について教える。
そして円周率の計算には不老不死の手がかりがあると仄めかすのだ。
「ならば円周率を計算せよ。二年で一万桁を計算せよ。さらに五年で十万桁を求めよ」と。
しかし、荊軻が当時未知の円周率を百桁求めるのに十年の月日を要した。
二年で一万桁などそうそう求められるはずがない…
しかし始皇帝は「そのために必要なものがあるなら、なんでも申せ。しかしかならず期限までに計算を為し遂げよ」と円周率の計算を要求するのだった。
(ん?)
というのが短編『円』の始まりだ。
どうだい面白そうだろう。
短編集『折り畳み北京』を買ってぜひ荊軻の秘策を君自身で読…
なに?
本を買うよりガチャのためにお金を取っておきたい?
たしかにまだ今年の水着サーヴァントは未発表だ。
水着荊軻実装の可能性すら0ではない以上、確かに予算の心配はもっともだ。
だが安心してほしい。
『円』の作者の傑作長編『三体』の発売を記念して、なんと今なら無料で『円』が読めてしまう!
(面倒な会員登録とかもいらない)
というわけで是非、めちゃくちゃ面白い短編『円』を読んで欲しい。
さて、荊軻の秘策について読んでもらえただろうか?
ここからはその驚愕のアイデアについてのネタバレがあるので、
一旦『円』を読んでから戻ってきてほしい。
OK?
では語っていこう。
すごかったね、荊軻の《計算陣形》
あまりのアイデアにびっくり仰天し、「なんだこれおもしろい!!!!」と興奮した。
『円』の荊軻が生み出した《計算陣形》とは何か?
FGOで荊軻が始皇帝暗殺にアレを使った文脈とか踏まえるとなかなか興味深い。
あれこそ《コンピュータ》の発明である!!
コンピュータの中ではデジタル(0か1か)の計算が行われているという話は知っているかな?
すなわち『円』の荊軻は黒旗を1、白旗を0とする《人力コンピュータ》を作り上げたのだ!
しかし何故あんな旗振りで『計算』ができるのか?
それについてはあのチャールズ・バベッジも使った『補数』という概念が鍵を握るのだが…
今回はここまで。
次回、それについて解説しよう。
次回↓