与太話じゃないほうのソシャゲの話

FGOの中級者向け記事のブログだった

鳴鳳荘のwhenとwhy

鳴鳳荘は「いつ」の出来事なのか?

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さて、鳴鳳荘のイベントはクリアしただろうか?
このイベントに対する僕の感想は「幻想再帰のアリュージョニストだ…」になるわけだけど、
いったんそれは置いておいて、謎に挑むことにしよう。

このイベントに最後まで残った謎、「一体いつ起きたイベントなのか?」という部分を考えてみる。
これが絶対の正解だ! と決めつけるわけではない。
きっと他の人がより緻密な考察をしているかもしれない。

それでも自分が考えること自体には意味があるとそう思いたいよね。
あと単純に楽しい。


というわけで今回のイベントがいつ起きたかを特定するために必要な要素を洗い出そう。

・登場キャラクターの時間のズレ
ロマ二・アーキマンは1部でナビゲーターを務めてくれたキャラだけれど、
1.5部ではカルデアを去っている。
一方でモリアーティのように1.5部で縁をつなげたサーヴァントが出てくる。

モリアーティとロマンの邂逅はありえないのだ。

だがそれについては匂わせるだけで終わっている。

ああ、そうだ。
スポットをここに当てる上でノイズを排除しておこう。

紫式部とロマン
ゲームでの実装時期は新しい紫式部ではあるが、登場時のイベント参加条件は「特異点Fクリア」という非常にゆるいものであった。
ロマンと紫式部が一緒にいるカルデアというのは「ありえる可能性」ということになる。

・ホームズとロマン
実際のところこの二人は今回のイベントでは出会っていない。
ロマンはホームズを認識していないのだ。
ホームズとモリアーティ、ロマンとモリアーティは互いを認識しているように見えるが、ロマンとホームズはそうではない。

なので本質的な『謎』はロマンとモリアーティが共にいることに絞ることができる。

真名を隠した「新宿のアーチャー」とロマンの同居するカルデアの可能性もある。
1.5部をやる前にガチャで引く…いわば未来の縁をたどる召喚だ。
(お月見イベントでのアルテミスがこれ)

だがその場合、彼が真名を明かすエピソードがないため「モリアーティ」とロマンの共演はやはりありえないことになる。

というわけで、この邂逅について何か特殊な事情が必要になる。

結論から言おう。
これは「夢落ち」である。

ああ、あまりにもあんまりな解答かもしれない。
でも僕はこの夢落ち説こそが幸せな結末だと思っている。

さて、ではこの夢を見たのは誰か?

これは「ロマ二・アーキマンの夢」である。

しかしロマンは夢を見られたんだろうか?
彼が夢を見る度、それは人間になる直前に見たという破滅の未来のヴィジョンであり、さいなまされ続ける悪夢である。

そんなロマンが幸せな夢を見る束の間の時間がある。

このエピソードは賢王ギルガメッシュの幕間の物語で語られる。


ざっくりあらすじを説明すると、
時期は7章バビロニアの攻略後、終局特異点に挑む前である。
賢王ギルガメッシュカルデアを見て回り、その脆弱性などに目をつけた。
そして、「ロマ二の不在」と何名かのスタッフの昏睡が告げられる。

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(後に「数名のサーヴァント」もこの時、いなくなっていたことがわかる)


カルデア内にロマンの姿はなく、起動されたレイシフト装置は何者かが特異点Fへと向かったことを示している。

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ロマンが裏切ったのか? それとも魔術王の戦いを前に逃げ出したのか? あるいはサーヴァントの反逆か?
主人公はそのどちらでもない、と信じて原因究明のために特異点Fへのレイシフトを行う…。

特異点Fではジャックやパラケルスス、アンリマユや天草四郎といったサーヴァントが襲ってくるが、
その戦い方はまるで「時間を稼ぐ」かのようなものだった。

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そして戦いが激化しそうになったところでダ・ヴィンチから連絡が入る。
「ロマニ・アーキマンが見つかった」と。

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いったいどういう事か混乱する人たちにギルガメッシュがネタバラシ。
これは賢王が仕組んだ訓練だったのだ。

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「メンバーに欠員が出た」時にカルデアがどんな振る舞いをするかを見定めること、
そういった「欠員が生じた時」にちゃんとシステムが機能するかを試したかったのだという。

ロマンはこの時、パラケルススが盛った薬によって眠っていたのだ。

いなくなっていたのはギルガメッシュがマーリンに依頼したもので、彼の幻術によりダ・ヴィンチの監視システムを欺いていた。

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消えた数名の英霊はギルの指示で手伝っていた。
ジャックもギルに手伝いのお返しを求めている。

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この時に何故か幕間に出てきていないナーサリーにも ご褒美を求めている。

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最後に起きてきたロマニとギルの会話で幕間は締められる。

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ロマニ(ソロモン)とギルとマーリン
彼らは最高位の千里眼を持ち、その特性上 お互いを認識していたという。
だからロマンは時折、ギルとマーリンにはかなり砕けた態度をとる。
彼ら3人にはある種の仲間意識があったわけだ。

さて、この先の未来に置いてロマンがどうなるのか皆様はご存じのはずだ。
そして千里眼
賢王ギルガメッシュ千里眼は「未来の可能性世界」を見ることができる。
つまりこの時既に、ロマンの結末を知っていたわけだ。
そんな彼がカルデアに「ロマン不在」を予め経験させその存在をはっきりと覚えておくためのきっかけとして、
あるいはここまで頑張ってきたロマンへの一時の休息としてギルはこの幕間の事件を計画したんだろう。

だから、鳴鳳荘とは「ロマンが見た夢」である。
そして型月世界における夢はそれだけで1つの可能性世界である。
(高度なシミュレートはそれだけで平行世界となりうる)

だからギルガメッシュはこの先、ロマニ不在のカルデアと彼が交わることができる可能性のある「夢の世界」を用意するために
「決まりきった悪夢しか見れない男」に心休まる夢のひと時を与えたのだ。


だからこれは夢落ちなのだ。
あらゆるソロモン王の記録が英霊の座から消えようと、
夢の世界にロマンの可能性を残すために。

もしかするとパラケルススのあの睡眠薬自体に「見たものの夢をつなげる」力でもあったのかもしれない…
なんてところまで飛躍するのはいささかミステリとしては飛び道具過ぎるだろうか?

あるいは「消えた何人かの英霊」には幕間に出た英霊だけでなく、他にも同じ夢につなぐものがいたのでは…?
そう、ナーサリーとか…。

とにかくハウダニット(どうやったか)の謎でなく、
ホワイダニット(なぜやったか)の答えとして僕が提示するのは「千里眼仲間であるロマン」にギルガメッシュが与えた
最終決戦前の最後の思い出作りだったんじゃないだろうか。

というわけで鳴鳳荘はいつの出来事か?
8章の後、終章の前にギルがロマンに見せた夢…というのが私の考察である。

最後に。
この賢王の幕間のタイトルで話を終えよう。

タイトルは…

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王とはもちろん、この幕間のために帆走したギルガメッシュのことではないのだろう。